前回の記事では、モデルとマイグレーションのコードを別ファイルに分離した。今回は、レコードの追加を行うときに、そのデータが正しいか検証(バリデーション)するコードを追加してみる。
インストール
DataMapperのバリデーションを使うのでgemをインストールする。あと、@komagataさんがそのバリデーションのエラーメッセージを日本語化(国際化)してくれているので、そのgemも入れる。
$ gem install dm-validations
$ gem install dm-validations-i18n
バリデーション
バリデーションの定義は、テーブル定義クラス(DataMapper::Resource
をインクルードしたクラス)で行う。
model.rb
require 'rubygems'
require 'dm-core'
require 'dm-validations'
require 'dm-validations-i18n'
DataMapper::Validations::I18n.localize! 'ja'
class Post
include DataMapper::Resource
property :id, Serial
property :title, String, :required => true, :unique => true, :length => 1..130
property :tweet_num, Integer, :default => 0
property :created_at, DateTime
end
title
レコードを定義している行の後ろの3つの引数がバリデーションの定義となる。
property :title, String, :required => true, :unique => true, :length => 1..130
それぞれ、
- 未入力じゃないこと
:required => true
- 重複してないこと
:unique => true
- 長さが1以上130以下であること
:length => 1..130
を指定している。これは簡略化された書き方で、従来は以下のように書いていた模様。
validates_presence_of :title
validates_uniqueness_of :title
validates_length_of :title, :min => 1, :max => 130
これは公式サイトではgood old fashioned manual validationとして紹介されていて、いちおう今も使えるみたい。
エラーの表示
バリデーションの結果、エラーがあった場合は以下のようなコードで出力できる。
DATA.each do |data|
post = Post.create(:title => data, :created_at => Time.now)
puts post.errors.map {|e| "#{e} : #{data}" } unless post.errors.empty?
end
3行目がエラー出力用コードで、レコード生成の結果(変数post)のerrors配列が空では無かったら、その中身(エラー文)を表示するという処理を行なっている。実際に、この変更を行った後に、ruby migrate.rb
を実行してみると、以下のような出力がされる。
$ ruby migrate.rb
--- Titleは1文字以上130文字以内で入力してください。 :
世の中には貪欲に知識を求める人間がいる。私もその一人だった。ただし動機から言うと、私のはそれほど純粋ではなかった。知識愛から求めたのではなく、ただ無知な人間にたいする世間の侮蔑から身を護るためにそうしたのだった。そんなわけで、暇さえあれば、古本屋漁りをしていた。
--- Titleは1文字以上130文字以内で入力してください。 :
あなた方は機械ではない、人間です。人間を愛する心を持った人間です。憎んではいけません。愛を知らぬ人間、愛されたこともない人間だけが憎むのです。隷属のために戦ってはいけません。自由のために戦ってください。あなた方はこの人生をすばらしいものにする力を持っているのです。
上記で表示されている1つ目の文字列(名言)は131文字、2つ目は132文字なので、バリデーションの1文字以上130文字以内の範囲を越えているためエラーが表示された。1
--- titleは既に存在します。 :
私の最高傑作は次回作だ。
重複した文字列(名言)がある場合は、上記のようにエラーが表示される。
--- titleを入力してください。 :
未入力(空行)がある場合は、上記のようにエラーが表示される。
このようにバリデーションを行うことで、問題ないデータは正常にレコードに追加され、問題があったデータはレコードには追加されず、結果表示の処理(コード)を加えればエラー表示される。
次回はやっとシャッフルツイート機能のロジックを記述する。
DataMapper - Validations dm-validations-i18n - komagata[p0t]
- ここではわざと引っかかるために130文字を指定している。Twitterに投稿できる文字数は140文字↩